ゆる体操をベースにした世界最先端の21世紀的な筋トレ『ゆる筋トレ』 (高岡英夫・談)
災害時に必要な筋力は、脳とよく結びついた賢いものでなければいけない
東日本大震災のような災害時において、ゆる体操はたいへん役立ちます。ひざコゾコゾ体操1つ身に付けているだけで、まったく避難所での生活が他の人とは違ってきます。普通に考えればとんでもなく厳しくてつらいという状況が楽で快適な方向に驚くほど好転するのです。また、背もたれ首モゾモゾ体操(イスのない環境ではペットボトル首モゾモゾ体操がおすすめ)をやっていれば、たいへんな脳疲労に襲われる被災者の脳が健全に機能するようになり、前向きで明るい気持ちになってきます。
一方、災害時においては特に瞬間的に災害に対処する能力や、あるいは持続的に20分、30分間のスパンで津波から避難所に逃げるというような局面においては、筋力の強さもたいへん重要になってきます。そのような筋力は、脳とよく結びついた賢い筋力でなければいけないことは、皆さんならよくおわかりだと思います。なぜならその筋活動には、非常に高度な洞察力や判断力が要求されるからです。
やみくもに逃げて本来なら助かるものが助からないとか、あるいは大丈夫だと虚勢を張って家に留まって死んでしまうというような結果を避けるためには、その場その場の事態の情報を瞬時瞬時に洞察、直感的に分析して、どの道を選んだらいいかを果敢に自分で取捨選択しなくてはなりません。このような時に賢い筋トレをやっていることが、非常に役立つのです。
ゆる筋トレは当然のことながら、そのような人生に何回か遭うかどうかというような困難な事態に対して、最も望ましい運動や行動を、実現できる自分を、普段からとても快適かつ面白いトレーニングで作っていけるように、工夫してあります。つまりゆる筋トレとは、その時々でその良さを自分が享受しながら、いざとなった時に役立つ脳と体を作るということのために、非常事態をあらかじめ想定内として(想定外ではなく)、私自身が作り上げ、率先してトレーニングを行っている方法なのです。
ゆる体操のX軸方向に対し、ゆる筋トレはY軸方向を伸ばす
いま私が申し上げたことと関連してくるのですが、整理すると皆さんにゆる筋トレを強力にお勧めする理由は、2つあります。
まず理由の1つ目は、ゆる体操をやっていることが能力のX軸方向を伸ばしていくことだとすると、ゆる筋トレはY軸方向を伸ばすということになるからです。それを皆さんのよく知っている言葉でいえば、ゆる体操はあらゆる角度から詳細に大胆に解きほぐしてゆるめていくメソッドの体系となります。その効果は皆さんなら、すでによくご存知でしょう。
一方、人間の体には500種類もの筋肉があって、その筋肉はある程度以上の“力”を発揮する状態で使ってもらうことを待っています。つまり進化の歴史上、筋肉というものが作られたわけですが、それはあくまでも強く使われるために存在するのです。そしてこの筋肉を上手に強く使わないと、人間は身体そのものが衰えるばかりではなく、同時に脳も衰えていくのです。
ゆる体操は「筋肉を鍛えるように作っていないのですか?」と問われれば、筋肉を強力に使うべきことが大事だということは百も承知のうえで、私はあえてゆる体操からそのような筋肉を直接鍛え強くする方法を大幅に削りました(ゆる体操には、筋肉を支配する脳の活動性が高まるために、日常の動き全般が筋肉をより強く使うように改良される結果、筋力が強くなるという間接的筋トレ効果がある)。では「ゆる体操だけをずっと続けていったら、筋力は衰えるのでしょうか?」と問われれば、ゆる体操をやるとその間接的筋トレ効果によってやらない場合より確実に筋力は強くなりますが、ゆる筋トレをやった場合の直接的筋トレ効果に比較すれば明らかに負けるというのが、じつはその正確な答えです。
ゆる体操からは95%筋力トレーニングの要素を取り除いている
では、なぜゆる体操の中に筋トレの要素をあまり入れなかったのかといえば、じつは体を解きほぐしてゆるめるということは一般に考えられているよりもはるかに難しい行為だからです。というのは、現代人はあまりにもストレス過剰かつ極度の運動不足の中で生活しているので、身体をほぐしゆるめることが極めつけに難しくなってしまったのです。
そのように聞くと、皆さんはこう反論したくならないでしょうか。「えっ? ゆる体操って、すごく楽に気持ちよく簡単に身体がゆるんでいくじゃないですか!」と。それは本来であれば非常に難しい身体をほぐしゆるめるという運動を、最大最善の工夫を駆使して方法体系を作り上げた、まさに私の長年にわたる研究の成果なのです。
皆さんならご存知の通り、ゆる体操には面白おかしく様々な工夫をこらしてあります。それによって脳と身体の活動性を多方向から刺激し、簡単に身体をほぐしゆるめることが可能になったのです。その意味でゆる体操により身体をゆるめる作業は、たいへんに優れた脳トレといえるのです。そのことを分った上で、身体をほぐしゆるめていくという作業のメソッド体系と、ほぐしゆるめた身体をもってさらに筋肉を上手に鍛え、脳の機能を高めていくというメソッド体系は、別のものとして用意しなければゴチャゴチャになってしまって上手くいかないと、私は判断したのです。その結果、ゆる体操からはほぼ95%程度筋力トレーニングの要素を取り除いたのです。
しかし一方でいえばゆる筋トレに、まさにゆる体操の中で押さえていない筋肉を脳との関係の中で鍛えながら筋肉と脳を賢い関係に育てていくという領域のトレーニングを、託したということなのです。ゆる体操とゆる筋トレは、X軸、Y軸の関係ですから、ゆる体操をやっていくことによって脳が鍛えられ、どんどん様々な側面で人の健康度も能力も良くなっていくわけですが、ゆる筋トレを行うことによってさらにY軸方向をも目指してトレーニングしていただくと、バツグンに健康度も能力も脳力も筋力も高まっていくことになるのです。
通常の筋トレをやると脳がますます衰えていく
それから、私が皆さんにゆる筋トレをやっていただきたいもう1つの理由についてお話しします。それは、通常の筋トレをやると脳がますます衰えてしまう可能性があるということです。
つまり、筋トレをやった方がいいという間違った情報が巷にあふれていますから、皆さんの中にも筋トレをやっぱりやらなくちゃいけないと思い実際にやってしまったりとか、元々筋トレをトレーニングしている方でゆる体操をやることに気持ちが向かない人とかが、たくさん現れてしまうのです。
皆さんこのことをお聞きになると非常にびっくりされると思うのですが、この筋トレというのは、1980年代を中心に、ある特定の筋肉だけにできるだけ焦点を当ててその筋肉だけを集中的に鍛え上げるようにスポーツ科学者や筋力トレーニングの専門家たちがたくさんの方法を作り上げたものなのです。
人間の身体は、ある動きをするために特定の筋肉だけではなく、たくさんの種類の筋肉を連動的に繋げて使っていくことよって優れた脳活動ができるようになっています。そのことは、皆さん自身が様々な作業をしたり、あるいは野生の動物が走ったり戦ったりする姿をご覧になっていただければご理解いただけることかと思いますが、決して1つの筋肉だけを使ってはいないのです。
つまり人間の体というのは、いくつもの筋肉を複合的に使うことによって脳が優れた活動するように遺伝子レベルででき上っているのです。そこのところを1980年代を中心にした筋力トレーニングの研究が断ち切ってしまったのです。特定の筋肉だけを集中して鍛えるということは別な言い方をすると、出来るだけ脳を使わせないように筋肉を鍛えるということです。とても皮肉なことですが、彼らはそのための方法をずっと研究、模索してきたということなのです。
ゆる筋トレは長年の研究によって作り出した世界最先端の21世紀的な筋トレ
脳をきちんと使いながら筋トレをすることが「賢い筋トレ」だとすれば、これまでの筋トレというのはあえて脳を使わないで行うわけですから、「愚かな筋トレ」ということになるでしょう。私はそのような類の筋トレをこの世の中に普及させてはいけないと考えています。しかし、筋トレをやりたいという人は、やはり一定数いますし、じつは筋肉を使いたいという直感は正しいことですから、本来はその欲求は理にかなったたいへん正しいものなのです。
しかしたいへん不幸なことに、その受け皿が現在この愚かな筋トレしかないのです。ゆる筋トレは、その不幸な状況を変えるために私が長年の研究によって作り出した、本当の意味で世界最先端の21世紀的な筋トレです。筋トレをやりたいという皆さんは、ぜひゆる筋トレにご参加されたらいいと思います。
そしてゆる筋トレを始めたら、必ずゆる体操も同時進行で徹底的に行っていただくことが必要です。そのことによって初めて、ゆるんだ身体をベースに強力に活動する筋肉と脳の見事なチームができあがるのです。
(了)
2011年4月30日(土)15:30~20:00 大阪開催「ゆる筋トレⅢ ベースof下半身」
2011年5月3日(火・祝)9:30~14:00 東京開催「ゆる筋トレⅡ ベースof上半身」
講座のお申込みは運動総研コールセンターへ
電話 03-3817-0390(電話受付:10時~18時 日曜・木曜定休)
ファクス 03-3817-7724
※お申込み用紙のダウンロード(PDFファイル)
(プリントアウトしてご利用ください)
