高岡英夫談話『この秋、なぜセンター系なのか』
「トップ・センター」を囲む 大黒柱 ならぬ 大青柱 構想
私の講座に参加されたり、本をお読みになっている皆さんなら、人類の身体意識全体の中で「センター」が最重要の装置であることは、よくご存知のことと思います。
しかし、センターといっても、じつに様々な種類があります。センターの中でも最も重要なものが中央軸、すなわちトップ・センターだということは、皆さんならご存知ですよね。そして、そのトップ・センターのサイドには側軸があり、側軸についても少なく見積もっても左右に3本づつ、つまり3対存在します。一方、前後で見ていくと4本の軸があります。そして、それらがじつに様々な運動をするわけですが、その運動するセンターが、ダイナミック・センターです。
皆さんは、私が指導している全講座の中では「トップ・センター初級」が圧倒的に一番重要だと認識されていらっしゃるかと思います。実際に「トップ・センター初級」に通ってきてくださる方が、一番多いという現実もあります。しかし、私としては講座指導を始めた当初から、それだけでは不十分であるという考えを持っていました。具体的には、トップ・センターを様々な角度から鍛える数種類のトレーニング方法群を、揃えて編成し、なおかつそれを連続的に受けることが出来る講座カリュキュラムを用意する、という構想を持っていたのです。
ついに私の構想の準備が整った
そのためには、まず「トップ・センター初級」以外にも、トップ・センターを鍛える複数の講座が講座が用意されなければいけません。たとえば、同じくセンター系の「サイド・センター(側軸)初級」という講座は、端的にいえばトップ・センターを鍛えるための講座ではありませんが、「トップ・センター初級」というタイトルの講座以外でトップ・センターを鍛える講座が、今日までに1講座だけ存在していました。その講座名からはトップ・センターを鍛える内容には見えないものですから、お気づきになっていない方がおいでかもしれませんが…。じつは「ダイナミック・センター初級」が、トップ・センターの動的なアプローチによるトレーニング法だったのです。ただし、その講座を含めたとしてもたった2講座だけです。
しかし、今年の春にようやく「寝臥位センター錬成法I」を満を持して発表することが出来ました。それと同時に「下軸の王者“内転筋”を鍛える」も発表し、この講座は枕詞で下軸の王者と銘打ってあるように、じつはトップ・センターのまったく質の違うトレーニング法を指導するものだったのです。これで4つのトップ・センター鍛錬法の講座が揃うことになり、ついに私の構想の準備が整ったのです。
ここまでのお話をすると、皆さんから「では去る5月の集中講座でその4つの講座を2日間続きで開催すればよかったのではないか」という声もあがりそうですが、そう簡単にはできないのです。なぜかというと、講座の編成をしたところで皆さんがそれに参加することができなければ、2日間に4講座を揃えた意味がないからです。やはり4講座にご参加いただくには、それだけの費用と時間が必要になってくるわけですから。
この秋、ついに4つのトップ・センター鍛錬法が揃った
そこで私としては、何とかして講座料を下げることと、さらにこれらトップ・センターを鍛える4講座を2日間に渡って編成することによって、皆さんにご参加いただく機会を提供することで、実行性を持たせることが必要不可欠だと、考えてきたのです。
そして、ついに7月末に開催された「さたでい身体シリーズ」から、従来の4分の3に時間を短縮し、講座料も従来の4分の3にし、なおかつ内容を今までの4時間の講座より、質、量ともに優れたものにする努力を提示させていただいたのです。8月に開催された夏期集中講座においては、私自身に対する厳しい評価からいっても、全講座において4時間講座より質、量ともに良くするという目標が、達成できたと判断しています。
これだけの条件が十分に揃ったわけですから、私の構想するアイデアを実行に移すのに絶好の時期が到来したのではないかと、このたび、確信するにいたったわけです。
全トレーニング体系の中の大青柱に
そこで、この9月22日(土)、23日(日)東京開催の秋期集中講座の2日間、10月6日(土)、7日(日)大阪開催の秋期集中講座3日間のうちの2日間を使って、トップ・センター系の4講座、「寝臥位センター錬成法I」、「トップ・センター初級」、「下軸の王者“内転筋”を鍛える」、「ダイナミック・センター初級」を編成することにしました。
じつは、これこそが私が今まで提唱してきた、そして今後皆さんに提示していく私の全トレーニング体系の中の大黒柱ならぬ大青柱(優れたセンターは青で表記されるものですから)、それも一本の柱ではなく4本揃った太い大青柱になるものなのです。つまり、これらの4講座が、あらゆる講座群の中央にドーンとそびえ立つ、五重塔で言えば心柱のような存在になるということです。
ようやく、その最初の姿をこの秋にお目にかけることができます。これは東京、大阪とも同じ日数、同じ編成で行います。なぜなら、関西方面にお住まいの方が講座を受講しようと決意された場合に、東京だけしか開催しないとなると、講座料に加えて、東京まで行くため の交通費+宿泊料+時間が必要となり、より大きな負担になってしまうからです。そのことを考慮し、東京と大阪の両方で同時開講することにしたのです。
また、この4つの講座群は、来年以降もこの秋期集中講座の時期に毎年必ず繰り返して行うことを前提としてスタートします。毎年東京、大阪開催の秋期集中講座では、全講座群の大青柱、五重塔の心柱にあたるものが、必ず繰り返して行われるということです。鍛錬やトレーニングのペース配分は皆さんじつに様々だと思いますが、一生をかけてじっくり取り組んでいきたいと考えてくださっている方が大多数ですので、申し上げておきますと、今後取り組まれるトレーニング人生の中で、この4連続講座が柱になるとご理解ください。
「鍛錬の秋=センターの秋」ということで、毎年秋恒例で東京、大阪で同じ日数が開講され、しかも春・夏・冬に開催される大きな集中講座群のいずれにも属さずに、クッキリと大青柱にあたる講座だけを編成することで、達人街道を進まれ、皆さんの意志を結集していただくことができるのではないかと、考えています。
こういう組み合わせが考えられます
この4連続講座は、時間や料金など、色々な面で可能ならば、まとめて全部お受けいただくことが一番オススメです。仮に2009年以降に4講座全部に参加されたことのある方でしたら、4講座全部を複数回参加割引でご参加いただくことで、2講座を初受講されるよりも低価格で出られるわけですので、かなりの負担軽減になろうかと考えています。
一方、様々な事情で3講座しか出られない場合や2講座、1講座しか出られない場合は、どれに出たらいいだろうという思いもおありになるでしょう。結論から言うと、どの講座にお出になられても必ず勉強になるし、ためになります。これは私が保証します。ですから、私がこれから申し上げるパターンがオススメという意味では決してないのですが、皆さんのご参考までに2、3の例を取り上げて、ご紹介したいと思います。
たとえば、3講座に参加される方でしたら、「寝臥位センター錬成法I」と「トップ・センター初級」というのが、黄金の組み合わせですから、これらの2講座に出てから、残りどちらかの講座に出るというのがいいのではないでしょうか。
「寝臥位センター錬成法I」と「トップ・センター初級」についていうと、人間は誰でも赤ん坊のときに寝臥位センター錬成法を無意識的に行っており、幼児のときにはそのメカニズムを少しだけ残しつつセンターを屹立させる、つまり立位によってトップ・センターを鍛えながら大人になっていきます。その流れを再体験するということになりますので、これはいわば黄金の流れといえるでしょう。
その後に「下軸の王者“内転筋”を鍛える」に出れば、私が締軸と呼んでいる「締めて全身の筋活動と連動しながら軸を通していくこと」に繋がっていきます。これはだんだん赤ん坊から幼児、幼児から少年となるにつれて筋肉が増えていき、つまり体重比において筋肉が増えていくということですが、筋活動によって軸が鍛えられていく「軸の形成過程」に入っていくことを意味しています。正しく取り組めば、これらの講座では、その時期を再体験することができるわけです。
一方で、「下軸の王者“内転筋”を鍛える」ではなく、「ダイナミック・センター初級」を出るとどうなるか。赤ん坊というのは大人のようにセンターを固定的に使っていません。赤ちゃんというのは、立ってもいつもフラフラしていますよね。発達学的には脳が未成熟だからと簡単に片付けられてしまうのですが、じつは身体意識の面から言えば、赤ちゃんはそもそもダイナミック・センターが非常に優れています。あのフラフラしている姿はセンターが固定化しないから可能なのであって、そういう意味でいえば赤ちゃんは非常にベーシックな意味でのダイナミック・センターがとても発達しているのです。そのベーシックな意味でのダイナミック・センターをなるべく殺さないようにしながら、様々な動き、活動をすることによって、ダイナミック・センターをより具体的な運動と結び合わせながら発達させていくのです。その過程を「ダイナミック・センター初級」では、味わえるのです。
いずれにせよ「寝臥位センター錬成法I」、「トップ・センター初級」から、「下軸の王者“内転筋”を鍛える」、「ダイナミック・センター初級」のどちらを受講しても、どちらも同じくらいに意味があるし、楽しめます。当然のことながら、1日目の「寝臥位センター錬成法I」、「トップ・センター初級」を受講した後には、よく休養をとっていただいて、2日目の講座に来ていただければ、脳疲労のことはまったく心配する必要はありません。それどころか2日目どちらかの講座をいきなり受講するよりも、もっといい状態で講座に入っていけて、さらにいえば前日の2講座を参加したことで初めて得られたり、到達できたりするような、より深い水準まで挑戦できるはずです。
それぞれ事情に合わせて参加すれば十分
次に「2講座だけ受けるとしたらどの講座がいいの?」という話に移りますが、「寝臥位センター錬成法I」、「トップ・センター初級」は、まさに赤ちゃんが寝ている状態から立ち上がっていくプロセスそのものを追体験していくという意味で、非常に意義のある選び方でしょう。
一方、2日目の「下軸の王者“内転筋”を鍛える」と「ダイナミック・センター初級」の2講座を選んだ場合、これはダイナミック・センター1講座だけを単独で受けるよりもはるかに良い効果が期待できます。「下軸の王者“内転筋”を鍛える」の方法というのは、トップ・センターを非常にクッキリ感じることが出来る他の方法と比べてみても、おそらく1、2を争うくらいにクッキリと感じさせてくれるような内容だからです。この組み合わせも、トップ・センターをダイナミック化していくということを非常に実感しやすくなるという意味で、たいへん良い組み合わせではないでしょうか。
笑いを交えながら、身体業界の最先端のトレーニングを学んでいく
さらに日をまたいで、「トップ・センター初級」から「下軸の王者“内転筋”を鍛える」、あるいは「ダイナミック・センター初級」という流れは、様々なものが体の実感をもって分かりやすく理解できるので、当然よい効果を得られるはずです。
とにかく皆さんそれぞれの事情が一番大切ですから、「自分は4講座まとめて出られる」、あるいは「僕は3講座だ」、「私は2講座よ」、「拙者は1講座じゃ!!」という具合に、皆さんの事情に合うようにお出になっていただければ嬉しく思います。
また、それぞれの講座の内容も質も極めて洗練されたものになってきていますし、3時間の時間の使い方、それぞれのメソッドの量比も、ますます上手い具合にバランスが取れてきていますから、初めての講座も安心してお出になっていただければと思います。
初参加という方は「トップ・センター初級」から
ここからは、すべてが初めての方、つまり今までに私の講座に一つもお出になったことがないという方に向けて話をしていきます。まず1講座のみお出になるという方には、やはり「トップ・センター初級」が断然にオススメです。
2講座お出になれるのなら、「寝臥位センター錬成法I」と「トップセンター初級」という組み合わせか、「トップ・センター初級」と「下軸の王者“内転筋”を鍛える」、もしくは「トップ・センター初級」と「ダイナミック・センター初級」という組み合わせが良いでしょう。私の講座が初めてという方は、2講座までが適切な範囲です。2日間で3講座以上ご参加されるのは、脳疲労や学習効果の点で、おすすめできません。
皆さんとともに新しい時代を歩いて行きたい
いよいよこの秋、このように全講座群を俯瞰した位置から大青柱にあたる4つの講座群を、皆さんに提示できることをたいへん嬉しく思っています。
ここまで持ってくるには、私の本来の研究者としての努力も必要でしたが、それと同時に指導者としての努力、さらには経営者としての努力も必要でした。そして、この3つの努力が揃った上で、その成果を皆さんが受け入れてくださることが必要不可欠でしたし、そのような理由からここまで時間がかかったわけです。でも、時代は変わりました。皆さんとともに新しい時代を歩いて行きたい、と思います。
今後は、トップ・センター系の4講座群を心柱とし、冬期・春期・夏期・さたでい身体シリーズなどの集中講座を、いずれも意義深く効果的なたくさんの講座同士の相互関係をさらに魅力的に編成し直し、どのように講座全体を俯瞰的な位置から整理しながら学んでいくかということも提案させていただきながら、皆さんにさらによい人生を歩んでいただくための本質力トレーニング講座を指導させていただけるように、精進努力して参りたいと思います。(了)
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