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なでしこジャパンの勝利は、ゆるみと身体意識の勝利!!
(高岡英夫・談)

私がなでしこジャパンに指導したのは、ゆる+トップ&ダイナミック・センター

 皆さんは、私がかつてなでしこジャパンのキャプテン以下、澤穂希選手を含む中心選手7名ほどを教えていたことは、『「ゆる」身体・脳革命』(講談社+α新書/2005年刊)の本でその一部の事実を書いたので、すでにご存知の方が多いかもしれませんね。
 私がその時に指導したことの核心部分は、その後、なでしこジャパンの次世代の選手を含むチーム全体に浸透していったと考えています。したがって今回のW杯に限った話ではありませんが、最近のなでしこジャパンの女子選手たちが他の能力はともかくも、こと身体意識とそのベースとなるゆるみの能力に限定していえば、男子の日本代表を上回っていることは間違いのないところでしょう。彼女たちのこれらの能力を仮に先のW杯南アフリカ大会の日本代表が持っていたとすれば、ヨハネスブルグのピッチで確実にベスト4に勝ち残れたはずです。
 では、澤選手を中心にしたなでしこジャパンの選手たちが、W杯で見せたあの能力を支えている最強の身体意識は何だったのでしょうか? 第一にそれはまぎれもなく、「トップ・センター」と「ダイナミック・センター」です。そして次に「上丹田」「中丹田」「下丹田」の「三丹田」と「リバース」「流舟」「ベスト」です。じつは、かつて私がなでしこジャパンの選手たちに基本として教えたのがゆる体操のパーツ、そして専門的な最重要課題として教えたのが、まさにゆるみの能力をベースにトップ・センターとダイナミック・センターを鍛える方法だったのです。
 その方法は、すべてサッカーボールを用いながら、実戦に絡む形でゆるみとトップ・センターとダイナミック・センターの能力を同時に鍛えられるという方法です。その方法の基礎的部分は、今日、多くのサッカー選手やコーチに習いに来ていただいている「サッカーゆるトレーニング」の講座で発表、指導しています。「球軸トレーニング」という概念で、サッカーボールを使いながら、トップ・センターとダイナミック・センターを同時に鍛える方法です。
 なでしこジャパンの選手たちは、いま私が講座で教えている球軸トレーニングに付け加えて、さらにもっと先にある厳しい球軸トレーニングを学びました。そのトレーニングのミソは、球軸トレーニングをわざわざトレーニング法としてやらなくても、そのトレーニングを何度か経験すると、普段やっているサッカーの練習や試合などあらゆる状況の中で、そのトレーニングの効果が自然に出てきてしまうという画期的な方法です。それを徹底的に教え込んだのです。
 なぜそうした方法を選んだかというと、私が当時教えていたなでしこジャパンの選手たちは(皆さんも今日ではすでにご存知だと思いますが)みな現役バリバリの選手でありながら、同時に生活のための仕事を持っており、仕事が終わった後の夜の時間や、ちょっとしたスキマ時間で練習をやっていたからです。つまり、本来のサッカーの練習時間を見つけるのさえやっとの選手たちが、新たに時間を作ってもう一つ別の専門的にハードなトレーニングをするということは現実的に難しい状況にあったという事実を、私は何よりも重視したのです。

いい感覚とヒラメキ、それはゆるんでセンターが立ってくる状態のこと

 彼女たちの言葉でいう「いい感覚とヒラメキ」、それはゆるんでトップ・センター、ダイナミック・センターが立ってくる状態のことです。じつは私は、指導の際にそこでつかんだいい感覚というものを、そのまま練習や試合の中で「自分たちが味わってきたこの感じだよね」と、潜在意識下でモノにできるように工夫して教え込んだのです。それは、彼女たちの時間と精力を余分に費やさせないようにするための、私の周到な工夫でした。
 一方で選手たちもたいへん熱心に受け止めてくれました。本当に食らい付くような熱意を持って取り組んでくれました。人間の熱意というものが、恐ろしいほどの集中力を生んで、それが非常にいい意味で貪欲な形で彼女たちの中に吸収されていったという事態を、私は目の当たりにしたのです。
  私は、数年間、なでしこジャパンの選手たちを熱心に教えたのですが、その後、彼女たちを卒業させていきました。それはなぜかというと、その頃の私はまず第一に、今日、皆さんに楽しんでトレーニングしていただいているゆる体操を作り、完成させ、さらにそれを一般社会に普及させなければいけないという、非常なる使命感を持っていたからです。その使命感のために彼女たちを教えることを止めることにしたのですが、しかし、それは変化や成果がなくて止めたのではなく、逆にこれでもう十分いいだろうと判断できたからこそ止めたのです。ちょうど漬物のもとになる野菜に塩を打てば次第に塩が浸透し、醗酵して漬物になっていきますが、それと同じように、必ずや指導した内容のエッセンスが潜在意識を経由してチーム全体に染み込み、醗酵していくだろうという確かな予測が立ったがゆえに、止めたのです。
 その後、なでしこジャパンの選手たちに、だんだんいい形でゆるんだトップ・センター、ダイナミック・センターが浸透すると同時に三つの丹田が働いて、いい選手に、いいチームに育っていくのを眺めながら、あれで間違っていなかったのだと確信できるようになりました。当然のことですが、私が教えたことだけによって彼女たちの身体意識が形成され、世界一になれたなどと申すつもりは、まったくありません。あくまでも一番重要なものは彼女たちの基本的なやる気=情熱と努力、そしてチーム指導者の指導力です。その情熱と努力に確固たるトップ・センターとダイナミック・センターという動的構造を与えることに、私の打った“塩”が役立ったということです。

本当にいいところをピタッと伝えると、いい選手は10年、20年と活かしてくれる

 陸上競技短距離のトップとして活躍した朝原宣治選手が、私から10数年前に教わったことがどんなにその後の自分の競技者人生にとって役立ち、本当にベーシックな気づき、ヒラメキというものになっていったか、ということを彼自身の著書『肉体マネジメント』(幻冬舎新書/2009年刊)で正確に書いてくれました。じつは朝原選手を教えたのはほんの1週間足らずのことでした。1泊2日の合宿等の機会を含め都合3回指導したのです。私のような立場にいると、なかなかスポーツ選手たちと出会ってべったりと何百日、何千日と一緒にトレーニングをするということはできない場合が多いのです。
 しかし、それでも頭と感性のいい、集中力のある選手は、わずかな機会、時間でも本当にいいところをピタッと完璧に伝えると、それを10年、20年と活かしてくれるのです。なでしこジャパンの選手たちは、典型的にそのように活かしてくれたのだと思っています。
 一方、今回の夏期集中講座で取り上げる、「トップ・センター初級」、「ダイナミック・センター初級」の講座では、今度はボールを使うことがない人たち中心のトレーニングになりますから、まったく逆にボールを使わないでトップ・センター、ダイナミック・センターを見事に鍛えていく方法を学んでいただきます。「ああそうか、センタートレーニングでもそれほど発想に広がりがあるんだ!!」と、そのような捉え方をしていただくと、じつに興味を持っていただけるのではないでしょうか。
 トップ・センター、ダイナミック・センターの講座では、私の指導の洗練度がますます上がってきており、一方で習いに来てくださる皆さんの反応力も上がってきていますので、去年も努力をしてプラスアルファのメソッドを指導させていただきましたが、今年はさらにプラスもう一つ進んだ段階のトレーニングをできるところまで行けるのではないか、と大いに期待をしています。

なでしこたちが持っている不思議なほどまでの“力”を身をもって体験してください

 これらの講座においでになって、あのなでしこジャパンの選手たちが持っている不思議なほどまでの“力”の源泉をぜひ身をもって体験していただければと思います。「絶対にあきらめない」と彼女たちは言いましたが、それはまさに軸がブレないという、本当にトップ・センターが屹立した状態から生まれる“力”なのです。一方、次々に移り変わって行く状況の中でセンターがブレないまま、現実の変化に柔軟に対応できるというのは、まさにダイナミック・センターの“力”です。
 試合終了間際の延長後半12分に宮間選手のセンタリングに澤選手が飛び込んで決めたシュートは、本当にトップ・センターとダイナミック・センターが見事に絡み合ったシーンです。それ以外にも彼女たちが持っているクレバーさが至るところで見られましたが、これは上丹田の“力”です。一方、ものすごい闘志、情熱。本当に涙が絞りでるほどの強烈な想いが彼女たちの中にあるのでしょうが、あれは典型的に中丹田の“力”です。そして、最後の決戦シーンのPKで守った、決めた、という見事なまでのあの肚の座った心と精神の安定感。あれが下丹田の“力”です。そしてPK戦前の円陣で明るい笑顔があふれていた姿こそ、ゆるみの能力が極めつけに現れたシーンでした。
  対戦相手のアメリカに比べれば、体力や体格がまったく劣ることは明らかです。サッカー界、スポーツ界でいう、通常の意味での身体能力というのは参加各国の中で決して高い方ではないわけです。ところが世界最強の身体能力をほこるアメリカチームと互角に戦い切って、最後にPKで見事に突き放し、沈没させた、あのなでしこたちの強さ。それは、トップ・センター、ダイナミック・センター、上・中・下丹田の三丹田などの身体意識とそれを支えるゆるみの能力を抜きには、絶対に説明がつかないことです。
 私がお伝えするトレーニングに理解を示していただいている皆さんには、今回のW杯での優勝をともに喜んでいただければと思います。大阪・東京開催の夏期集中講座にご参加される方は、なでしこジャパンのあの成功を思い返しながら、おおいに楽しみトレーニングしていただけたら、うれしく思います。
 なお一部先ほども触れましたが、「トップ・センター初級」「ダイナミック・センター初級」「三丹田初級」「夏の太もも周りスッキリ解消法初級」「ゆる筋トレIII ベースof下半身」ともに、2011年版New講座としてプラス新しい方法か、またはより深化した段階の方法を取り入れますので、ぜひ楽しみにしていてください。

追記
  最後に付け加えさせていただきますが、なでしこジャパンの国民栄誉賞 について、パフォーマンスに対する適正な評価と彼女たちのさらなる飛躍を真摯に願う立場から言わせていただくと、社会が明るい話題を求めているのは分かりますが、今回の件は初めから起きるべき話ではないと、はっきりと思っています。国民栄誉賞の話が出るのは、どんなに早くともロンドンオリンピックの金メダルを取った後にする、その位のふところの深さが、社会にも、国家にも必要だったのではないでしょうか。

2011年8月7日(日)9:30~14:00 大阪開催「2011年版New夏の太もも周りスッキリ解消法初級」
2011年8月8日(月)9:30~14:00 大阪開催「2011年版New三丹田初級」
2011年8月8日(月)15:30~18:00 大阪開催「2011年版Newトップ・センター初級」
2011年8月12日(金)9:30~14:00 東京開催「2011年版Newトップ・センター初級」
2011年8月13日(土)9:30~14:00 東京開催「2011年版Newダイナミック・センター初級」
2011年8月15日(月)15:30~20:00 東京開催「2011年版Newゆる筋トレⅢ ベースof下半身」

★講座のお申込みは運動総研コールセンターへ
電話 03-3817-0390(電話受付:10時~18時 日曜・木曜定休)
ファクス 03-3817-7724
※お申込み用紙のダウンロード(PDFファイル)
(プリントアウトしてご利用ください)

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