2014年冬集中講座 “高岡英夫の最新談話”を掲載!!
深める日本と広める世界と!!(高岡英夫談)
1,500人の観客を一瞬にして釘付けにした立ち姿

- 『義経千本桜 吉野山』で、狐忠信がせり上がりで花道に登場したシーン。
- 圧倒的規模のセンターと三丹田で、観客の身も心も鷲づかみにした。
この写真はいわずもがなの皆さんの仲間であるNidoさん、舞踊家・花柳寿惠小英が、今年の9月15日に、東京は国立大劇場で行われた『義経千本桜 吉野山』という演目の狐忠信という役柄で、床下からせり上がりで花道に登場したところの姿です。いかがでしょう。ただ登場して立っているだけで、1,500人の満杯の会場を一瞬にして釘付けにしてしまった名演です。
私はこの姿を見ただけで、「ここまでの姿に到達することができたのだね。よし、今日はこれでいい、帰ろう」と思ったぐらいです。もちろん、それは、私がこの瞬間にNidoさんがどのくらいの身体意識を体現しているかということを、一瞬にして見抜く力があるからですが……。

- Nidoさんの『義経千本桜 吉野山』演舞中の壮烈精緻なる身体意識図
ご覧ください、この人身体意識図を。後日、この演舞中のNidoさんの身体意識を詳細に分析した図です。天地を高く深く通貫するセンター第三軸。圧倒的な強大さを持った上中下の三丹田。これらのセンターと三丹田の規模だけで、この人物が稀有の存在、知情意を兼ね備えた偉大なる傑物であることがわかります。そして上丹田に掛かる二本の遠大な斜軸、中丹田を貫くバックセンターからの激烈な放射流、下丹田を貫く地下からの怒涛の流舟は、この人物が時代を根こそぎ引っくり返すほどの壮烈な行動力を発揮した人物であることを示しています。さらに地下深くの地重根から立ち上がる巨大な重性のバックセンターの存在、同じく地下深くの地重根から両脇へ立ち上がる二本の重性の側柱の存在は、この人物がこの世ならざる深い闇の世界に根ざす怪物、すなわち強大な妖力を持った“妖怪”であることを示しています。
実はこの人物とは、かの日本人史上最高の悲劇的英雄、源義経の四天王の一人、知勇を兼ね備えた稀代の猛将、佐藤忠信その人でした。
歌舞伎舞踊では、死の逃避行を覚悟した義経が、自らの生命よりも大切に想う静御前の生命を守るために、その身を預け託すという、重大な役割を忠信に与え、さらにその忠信に、ある深い因縁で結ばれた狐の妖怪の役割をも与えているのですが、さあ、いかがでしょう? あらためて、花道の写真と身体意識図をご覧ください。Nidoさんの姿の内外に、知勇兼備の猛将性と狐的な妖怪性が横溢する様相を、見取っていただけたでしょうか。
さてつまりは、Nidoさんはこの立ち姿一つで、『義経千本桜』という長大作を追っていくとやがて明らかとなる基本構造、義経と忠信の間の主従の「忠」と狐親子の間の「孝」の二重構造を、(予徴的に)表現し切ったのです。そしてその花道の演舞に続くすべては、私が予測した通りとなりました。約36分の演目のあいだ中、もう1,500人の会場満杯の全員が、完全にその踊りの演目の中に取り込まれて、まさにあの難しい演目の言わんとする宇宙のまっただ中に、皆さんの心も体も共に存在していたと、いえる舞台となったわけです。
プリセツカヤ、カラヤンの名演に匹敵する内容に到達
これほどの舞台ということになると、現代の歌舞伎界・日本舞踊界ではもはや並ぶものを見出すことすらできません。広く世界の音楽を含む舞台芸術を見渡せば、マイヤ・プリセツカヤの『白鳥の湖』、カラヤンのベートーヴェンの名演に匹敵するほどの内容に到達していたと、断言することができます。実はそれほどのところに、あの9月15日の舞台で皆さんの仲間の一人がとうとう到達し、一身をもって体現することになったのです。
この踊りの後、私とNidoさんが話した会話を載せておきます。本質力から具体力にわたる概観的な解析・評価を語った後に、私は彼女に言いました。「まだいくらでも上達する余地があるどころか、できていないところばかりがいくらでも私には見えるよ。あなたも当然そのいくつかを感じているだろう。そして、あなたの師匠であり、今回の踊りの指導もされた花柳壽惠幸師がいかに偉大な存在で、いかに偉大な舞踊家であるかということが、初めて本当にわかったんじゃないの?」と話しました。
彼女は「本当にその通りです。できていないところばかりがもう気になって、こんな舞台ではダメだと思っています。そして、花柳壽惠幸先生が本当に偉大なことがようやくわかりました。先生と私の差というものを本当に知ることができました。今までは本当に準備期間だったのですね。今まででは考えられないほど、今回の舞台を通して踊りというものに情熱が湧き、上達の意欲が湧き、挑戦する意欲が湧きました。私はこれから、いよいよ本当にやります」と返事をしてくれました。
今までの方法では開発できない領域を論理的に鍛える

- 2012年6月のニュルで見事SP4Tクラス優勝を果たしたクラゴン。
- 過去、日本人として誰も到達することのできなかった偉業だった
そして、もう一つの写真、これはいわずもがなのクラゴンです。SP4Tというニュルブルクリンクのレースの中でも、名うての難しい部門で、クラス優勝を遂げたことは皆さんもご存知でしょう。もちろん日本人のレース史上で、SP4Tでの優勝は初めてのことです。それだけで十分過ぎるわけですけれども、さらに本場ヨーロッパで彼は嘱望され、いよいよ今年の8月24日には最重量SP9クラスの助っ人外人レーサーとして、招聘されたわけです。そして、そのクラスで十分過ぎるほどの実力を発揮し、最重量クラスでもトップの走りができるレーサーであることを確実に証明して帰ってきました。
レースの世界はどのクルマに当たるかによってクルマの実力差が歴然に出てきますから、力のないクルマに当たってしまえば、いくら実力があるレーシングドライバーでも優勝することはできません。そのような意味からも、今回のレースでは優勝することはできませんでした。しかし、そのチームの目標とした戦績を十分かつ確実に上回る結果を出して、絶賛をされたことは言うまでもありません。
そしてクラゴンは、「自分はまだまだいくらでもこの先上手くなることがわかります」と言ってくれました。なぜわかるのか? 一つは、8月のレースで昨年に比べて今年は圧倒的に深い技術がやすやすと可能になっている現実があったことです。一方で、8月に出場したレースから、10月、1ヶ月ちょっとしか経っていない間に、日本でクラゴンが指導でクルマに乗っている瞬間に「ああ、あの8月のレース時よりも自分は1ヶ月でこんなに上手くなっている」ということが、次々にまざまざとわかる瞬間があるのだそうです。

- 今年の8月開催のニュルブルクリンクVLN6時間耐久レースでは、
- 総合優勝を争う最速クラスSP9に「メルセデスSLS・GT3」で参戦。
当然でしょう。なぜそのようなことが起き、なぜそのようなことがわかるのかというと、運動総研で私がやらせていただいている講座では、今までの人類の歴史が持っていた方法では決して開発することができなかった人の本当の能力、本当の可能性というものをいくらでも深く掘り下げ、そして広げていくことができるからです。しかも、それは極めて論理的なやり方ですから、これらの方法を継続的にトレーニングしているNidoさんやクラゴンは、日本舞踊あるいはカーレースという具体的な世界の中ですべての能力というものを、全て論理的に本質力の側から認識・解析することができるのです。ですから、「何ができていない」「ここがこういうふうに1ヶ月前より上達している」「一年前よりこうだ。今後はこういう展開になるはずだ」「こういうところを押さえておけばいい」とか、そういったようなことがことごとく分かってくるのです。つまり、なんとなく、いつの間にか上手くなる、ということでは決してないのです。
皆さんがどう育っているかは手に取るように見える
これが、実は運動科学者である私が目指したことの大きな世界です。Nidoさん、クラゴンの上達の姿、そして日々の姿に出会うたびに、私はさり気なくも見抜いています。こういうふうになっているな、ここはこうなっているな、と見抜いています。同じように、私のところに常日頃通って来てくださっている方々、何年にもわたり、毎年何十時間となくこのレッスン、トレーニングの場で出会っている皆さんのことは、Nidoさん、クラゴンを見ているのとまったく同じ深さで、見させていただいています。皆さんがどういうふうになっているのか、どういうふうに育っているかは、手に取るように見えています。
ですから、たとえば一例ですけれども、ある球技種目を競技としてやっている青年がいます。彼の中で、センターの中でも最もトレーニングするのが難しく、最も天性の才能に左右されやすい大径軸というものが育ってきているのを、私はとても楽しみにして見ています。特に、体幹部については育ってきています。惜しいかな、体幹部より下、つまりお尻の位置からさらに地面、そして地下へとその深さのところの大径軸は、体幹部の大径軸と比べて、まだ形成が弱い。何より地芯に乗ることが足りないからです。これが育って欲しい!! 私は彼と講座で出会うたびに、また彼一人だけではなくて全員、この全員がよくなるようにその共通項を素早く認識しながら、その講座ごとのテーマに沿った形で、あるいはテーマ外の深いところから、さまざまな手立てを使って、育つように育つように働きかけています。そんなことを今日、一心につとめている現実があります。
一講座でおよそ5倍の精力を注ぎ込むようになった
今まで皆さんにお送りしているパンフレットの中で、初級は「教える」、中級は「育てる」ということをお話しいたしましたが、まさに人を育てる時代に入ってきていることを痛感しています。最近では今年の秋の集中講座、いわゆる大青四本柱では、中級が始まる今年5月以前の講座を基準にして考えますと、一講座でおよそ5倍もの精力を注ぎ込んでいます。したがって、5倍の脳疲労をします。大青四本柱4講座、特に中級を2日連続でやるのは、まさに至難の業です。オーバーな言い方ではなく、脳がぶち壊れるのではないかと、心配になるほどです。よほどひどい脳疲労でも翌朝までに解消できる私でも、2日で20講座分の脳疲労を取るには、さすがに1日半はかかってしまいます。
でも一方では、こんなこともあります。ゆる医学研究会(YURUの医学的応用を研究する高岡英夫主宰の医師・医学者の会)の面々と食事をした時に、私の真ん前に座ったある医者が、「先生、またここのところ頭が大きくなっていますね」と、どこがどのように大きくなっているかを詳細に語ってくれました。私がニッコリと笑いながら、「そうだろう、とんでもない脳の使い方をしていて、またまた脳が大きくなって来ているからね。まあ、何度かこういう時期を経ながら今日まで来たのだけれども、また凄まじいことになっているのだよ、最近。皆さんを育てるために一心に脳を使っているからこういうことになってるんだ」と伝えたら、彼は「うれしいです。弟子としてこんなにうれしいことはありません」と言ってくれました。
先ほど一人の青年の例を上げましたが、皆さん、もうそれぞれの状況の中で育っておられます。私が手を抜くことなく、育ちたいという意志を持って来てくださる方のことは、ガッチリとっつかまえて、とことん育てさせていただいておりますし、今後ますますそのことを深め、広めていきたいと思っています。
深める日本と広める世界と!!
ちょうど平行するように、世界に向けてのYURU EXERCISEのオープン化サイトの制作に入っています。この仕事はハンパでは済まされません。世界中の国と地域のこと、そこに住んでおられるあらゆる方々をすべて意識しながら作っています。もちろん一人一人の個人ではありません。たとえば、さまざまな経済的な状況、医療の状況、能力や年齢、男女、仕事、もちろん国と地域ですから、気候、風土などもまったく違うわけです。それらを全部加味して考慮しながら、あらゆる人々を余すところなく、残すところなく、取りこぼすところのないように、どの国のどんな方々が読まれても「ああ、私に語りかけてくれているんだな」というふうに思っていただけるように、皆さんに向かってサイトのメインメッセージを書かせていただいています。

- 受講者一人一人を観てまわり、核心を突くアドバイスを行う、懇切丁寧な指導で、
- 厖大な精力を講座に注ぎ込む高岡英夫。
- 生徒のひざに手を当て、絶妙な脚のポジションを指導している
人を想いながら真摯な気持ちで本当に深い思いを書くには、とことん深いリバースが必要なことは言うまでもありません。その意味において、私は今までに、これほどまでたくさんの数の、しかも一つ一つが太く、そして深く強靭なリバースをかけた経験はありませんでした。数えてみれば数百本はあったと思います。それがちょうど中丹田、上丹田の両方からすべての国、地域、人々へ向かって出ているのです。そしてこのリバースの活動すべてを支えているのが、脳や身体、そして細胞たちです。
皆さんを日本の国の内においてお育て申し上げる、このとことんの努力と、そして世界のすべての人々に余すところなく自分の意思をお伝えし、この素晴らしい人類最善の体操法であるYURU EXERCISEを余すところなく伝えるための、世界という外へ向かっての努力、この両方が今、私の中でまったく同じ価値のものとして動いてます。なんの矛盾ひとつもなく、どちらをわずかでも順位づけ差別することなく、どちらにも本当の真摯なる自分というものを打ち込んで生きています。その成果の一つとして、11月30日には海外向けサイトの日本語版が出ますので、楽しみに第1話からお読みいただきたく思います。また、一方では内側での私の真摯なる努力を、来たる冬の集中講座にて体験していただければうれしく思います。(了)
