あらゆる困難な作業を乗り切るための身体意識の最強2大装置
「2010年版 Newトップ・センター」「2010年版 Newサイド・センター」 (高岡英夫・談)
突然ではありますが、私、このたび引越しをしました
皆さんご存知の身体意識世界、あるいは身体意識史上、最も重要な装置である「トップ・センター」、そしてそれを補強し、それと相関しながら、人間に巨大で素晴らしい影響を与える「サイド・センター」について語らせていただきたいと思います。
突然ではありますが、私、このたび引越しをしました。その理由となった個人的ながらも大事な事実があって、私の妻であるNidoさんの両親がだいぶ年を取ってきて、恒常的な目配り、何かあったときにいつでも直接的なフォローアップに入れるという体勢を取るべき時期になってきていたんです。
具体的に言うと、同じ建物の中に、私ども夫婦と両親夫婦が共に住むということが必要になってきたということです。この介護の問題は、本当に日本の津々浦々、本当に皆さんそれぞれの生活の中にも、ひたひたと押し寄せてきていることだと思いますので、そのような意味で別に私一人が取り立ててどうということではないのですが、引越しの背景についてお伝えすることが大事だと思い、ここではお話ししました。
引越しをするにあたって、私の場合、荷物として普通の人とは異なり膨大な図書、書類、そして膨大というほどではないにせよ武術系トレーニングのための武器や道具、さらには皆さんに直接発表する機会はないのですが、ある分野に対して実技的挑戦をしているので、そのための様々な道具やグッズなどがあり、じつにかなり多彩に及ぶんですね。
それらを引越しがあるたびに、思い切って整理をしてきてはいるのですが、それでもまた増えるものですから、非常に荷物が多いのです。そのような状況での引越し作業なんです。当然、引越しの業者には入ってもらうのですが、引越し屋が査定をするときに「多いですねぇ」って、しみじみこう言うわけです。また、その「多いですね」という言葉と同時に、彼らは専門家ですから、その持ち主が荷物に対して、非常に強い意識でそれらを使用し、管理しているという事実を強く感じるわけです。だから、キツい引越しになるなぁと、彼らはこう感じるわけですね。
2種類のセンターを屹立させて、彼らを手なずけてしまう
ですから、どうなるかっていうと、その引越し業者の最精鋭部隊が来るんです。彼らは「そうじゃないと通用しないな、このお客さんには」と思うわけです。事実、その通りなわけですから(笑)。そして、これは私だけではなくて、女房のNidoさんも全く同じスタンス、立場ですから、彼ら非常なる精鋭部隊が、非常なる緊張感を持って来るんですね(笑)。
その中で、彼らに出会った私はどうするかというと、ゆるゆるにゆるみ切って、まさに地芯から立ち上がり天へ抜け、吊られる巨大なトップ・センターと、そしてさらに、巨大にして立ち上がり、抜けて吊られるサイド・センター、これらの2種類のセンターを屹立させながら、彼らを迎えるわけですよ。
彼らは、私と出会って一瞬たじろぎ、驚きますよ。ですが一分後には、私の身体の一部になっている。彼らを、悪く言うと手なずけてしまうんです。手なずけると言うと、彼らの能力をあまり発揮させないみたいに聞こえるでしょうけど、全く逆で、彼らの能力を凄まじく引き出すように手なずけてしまうわけです。つまり、別の言葉で言うと可愛がってしまう。
その結果、彼らは、どんどんどんどん働きます。それと同時に、契約上では私は何もしなくてもよいという条件なんですけれども、やっぱりどんどん小気味良く手伝ってしまうんですね。種々の荷物、様々な局面で、スッスッといいポジションに僕が入ってあげる。引越スタッフも「ああ、すみません。結構なんですけど?」と言うんです。でも、顔は喜んでいるので結構じゃないんですよね(笑)。「そんなだったら、素晴らしく結構です」というふうになっちゃうんです。それで、サッサッサッサッと手伝っていく。
その後、非常に大事な荷物を詰めるところについては、もちろん全部自分でやっていきます。そして、いよいよ荷解きです。荷解きから今度はどんどん配置、セットしていきます。その辺の作業もたいへんだということは、皆さんもご経験がおありでしょうから、おわかりになるでしょう。それもまたたく間に、ガンガンガンガンやっていって、ただでさえ猛烈に忙しい仕事の合間に、しかも仕事を全く減らさずに、どんどんどんどんやっていくわけです。なのにへっちゃらなんですよ。つまり、精神的にも、肉体的にも、全くルンルン♪なんです。
2種類のセンターがあれば、困難な作業であっても何の負担もない
相当な荷物の上げ下ろしや配置、セット作業をしていく過程の中で、普通で言う無理な姿勢を繰り返すわけじゃないですか。そうすると「高岡先生でも腰痛のよの字、あるいはその手前ぐらいにはなるのかなぁ」って、皆さん、こう思われませんか?でも何にもならないんですよ。肩こりも、背痛も、腰痛も、何もない。「先生は、股関節や膝を壊してるんですよね。その辺はどうなんですか?」と尋ねられたら、 はい、全く何にもない。
つまり、こういうことなんです。かなり普通の人の水準から言ったら、何倍もキツイ引越しを、目一杯忙しい仕事の合間を縫って、とんでもないスピードで達成して、なおかつ体にも心にも何の負担もない。一切何の負担もないんですよ。じつはそれを可能にしている装置が、まさに「トップ・センター」と「サイド・センター」という2種類のセンターなのです。
つまり、そういうプロセスの中で、非常にいくつもの仕事が重なってきていて、近未来に向けて大事なこと、それからもっと長いスパンの中で大事なこと、そして今構想中の執筆をもう進め始めている本が何冊も重なっていて、その中には猛烈に大事な書籍もいくつかあるのですが、そのようなまさにたった今大事なこと、そのようなことを逐一処理していくと、何本もの意識が自分の中で動いてくるんです。そこに引越し作業が入ってきて、たくさんの種類の荷物があるとなると、それらって、それぞれ動線が違いますよね。書籍の中では、どうやって分けていくのか。書類においてもそれぞれ系統が違うので、経営者としての書類、研究者としての書類、指導者としての書類等々、いろんなものがあるのですが、それらも振り分けていく。部屋のどこを、どのように使うとかを細かく考えていく。
そうすると、ゴチャゴチャしている仕事上のさらに伏線として動いている仕事と、引越しみたいな時間的には短い、何日間もしくは一週間とかの短期作業などが、一つの局面の中で非常に複雑に重なり絡み合ってくるのです。そのように困難な仕事や様々な種類の膨大な作業を目の前にしたとき、通常はどうなるかっていうと、頭が混乱し、身も心も固まってきますよね。そうすると状況を精査し、統合的に高い視点から、整理をつけて、判断し、そして決断するということをスピーディーに行なうのが、ますますもって難しくなってくるのです。
厳しい状況であればあるほど、トップ・センターの高さが大事
そして、そういうときにこそ、じつはトップ・センターの高さがきわめて重要になってくるのです。トップ・センターが自分の中心に高くそびえ立てば、全ての状況を俯瞰的に捉えながらも、細かいことをよく見つつ、一方で大局に立って全体を捌いていけるようになるのです。そしてなおかつ、くじけないようになってくる。
くじけるって、細かく見ていけば個々いっぱいあるじゃないですか。この仕事、今やらなくてもいいやとか、何も今考えなくてもいいだろうとか、後に回しちゃえとか、ここはちょっと手を抜くと言ったら変だけど簡単に済ませちゃおう…等々、いっぱい考えますよね。それから、引越し作業の方で言っても、何も引越しの最中に一つ一つの道具まで拭いてしまわなくてもいいだろうとか、棚も拭いてしまわなくてもいいや、まぁとにかく入れちゃえとか、順番はいいやとか、くじけたくなりますよね。でもトップ・センターがあると、そうはならないんです。とにかくできる、必要なことはほとんどできる。
でも、そのような複線的に多数の複雑なものに対処しなくてはならない状況では、トップ・センターだけだと、足りなくなってしまうことがあります。つまり、身体と意識がグラグラグラグラして振り回されるんですね。状況が凄いから、1本だけだと振り回される可能性があるのです。そういうときにサイド・センターがポーンと立っていると、じつは振り回されているように見えて全然振り回されてない、ということが可能になってくるのです。
サイド・センターがあれば、さらに厳しい状況でも楽々乗り切っていける
つまりポジションは、サッサッサッサッと状況によって、右に捌いて通る、真ん中に通る、左に捌いて通る、というようにサイド・センターがあると3方向で通れるじゃないですか。これは次々に使い分けているのであって、振り回されているわけじゃないのです。振り回されていることとは全く逆なのです。
だから、例えば引越しの作業員が引越しの真っ最中に「これはどうしたらいいでしょうか?」と聞いてきますよね。僕も瞬時に思い出して「ああ、あれはこっちへ持ってきて、あれはこうして」とか、いろいろと返答するじゃないですか。でも、その間に電話が掛かってきたり、いろいろなことで中断されると混乱しそうになりますよね。それを作業員も見ているから「あっ、今それを聞こうと思ったんだけど、まずいかな…」というように尋ねるのをつい遠慮してしまうのです。
そこで、電話の相手に「ちょっと待ってください」と言って、作業員にニコッとして「何?」と聞くと、非常にビックリされます。だって非常に大事な電話の内容と比べると「この荷物、この部屋でよかったんでしたっけ?」みたいな小さなことって、聞きにくいじゃないですか。だから「この荷物はこの部屋に置いていいですか?」と尋ねられたら僕は、ニコッとして「ああ、わかった。その荷物は、○○○の部屋の東南の角にまず仮置きしてくれる。その後で開けてもらうから」と言って、また電話に戻るんですよ。そうすると、非常に不思議がられます。不思議がると同時にリズムに乗って、作業員たちはルンルンなんです。だって、この荷物一個を今どこに置くかってことは、何かすごい小さな話というか、水準、レベルの低い話みたいに思えるじゃないですか。それに対して僕が仕事のなんか難しい話をしているから、その水準があまりにも違っていて、入り込めないかなぁって思うんでしょうね。ところがニコッとして、即対応してくれるから嬉しくなる。こういうやりとりは、サイド・センターの働きなんですよ。
パッパッパッパッ、右のサイド・センターを使って仕事関係とか、また別の銀行の話とかを捌き、左のサイド・センターを使って、引越しのお兄さんやお姉さんの相手をする。そして中心は、トップ・センターで支え、見下ろしているような状態になるんですね。こういうトップ・センターやサイド・センターが僕は身についてきているのだと思います。引越し以外のことでもこういう状況は、常に四六時中ありますから。いよいよ強靭に大きなものに育ってきているな、と感じています。
皆さんにとってみれば、講座の最中はああセンターが来ているな、感じられているなといい状態になっても、一人になるとなかなかトレーニングが上手くいかない、またはそういう状態になれないとか、またなったとしてもトレーニングから離れると消えてってしまうということが多いのではないでしょうか。たとえば歩いているときにセンターを強く意識して「あっ、これがセンターだな」と、ある程度できてきている、感じられるとなっても、また仕事にかかると忘れちゃったり、どこかに行っちゃうということはありませんか。
繰り返し講座に参加することで、センターが本物に育ってくる
ハッキリと言わせていただきますが、これは当然のことなのです。私も自分の人生なりに、ずっとそのことを繰り返してきたのです。では、なぜ先ほどもハッキリと言ったように、今日の私がどんな困難な状況に陥っても、トップ・センターとサイド・センターをしっかりと屹立できて、失われることがなくなったかと言うと、もうこれは毎日の不断のトレーニングの賜物です。それと、トップ・センター、サイド・センターの講座に出ることです。「私自身」がです。
私が講師として参加して、トップ・センターの講座だったら「トップ・センター」だけを、それからサイド・センターの講座だったら「サイド・センター」だけを意識し、語り、その方法を皆さんと一緒にデモンストレーションしていくのです。皆さんの状態が高まるように、もう全身全霊でもって皆さんを引っ張り、立ち上げていく。そのような仕事をすることで鍛えられるんです、何よりも自分自身が。
講座で指導させていただくことによって最も鍛えられます。自分一人で毎日行うトレーニングよりはるかに鍛えられます。だから、トップ・センター、サイド・センターの講座は、私もことあるごとに出る必要があるのです。講師だから仕事として出るというのではなく、自分自身なかなか身に付かないから、自分というものを変革するために、大いなる刺激を自分自身に与えるために、出る必要があるということを、ここでは申し上げたいのです。
一方でいえば、それは皆さんにとっても同じことだと思うんです。毎日の日々のトレーニングはどうしても必要です。日々というのは、1日置きでもいいんですよ。あるいは1週間に3日とかでもいいんです。理想的には1週間に5日ぐらいがいいと思いますが。でも、それとは別にやはり私と一緒に行う「トップ・センター初級」、「サイド・センター初級」の講座で、あの集中し、焦点の合った意識と身体性が素晴らしいあのトレーニング時間を、繰り返し繰り返し過ごしていただくことが非常に大事になってくるのです。それで初めてセンターがより本物に育つベースが整ってくるのです。そして私にとっても、それはまったく同じことなのです。
ぜひまたこの夏、暑さにめげず、暑さをぶち抜いて立ち上がるトップ・センター、サイド・センターをトレーニングしていきたいと思います。特に複数回参加割引を使える方は、両方にお出でになることをお勧めしたいと思います。トップ・センターをやった翌日のサイド・センター、とてもいいですからね。
最後になりましたが、これはNew講座ですから。5月の「2010年版 Newトップ・センター初級」に参加された方々は、もう感動の嵐となっています。ゲリラ豪雨による嵐は困りますが(笑)、「2010年版 Newトップ・センター」、「2010年版 Newサイド・センター」による感動の嵐は大いに歓迎ですよね。今回の「Newトップ・センター」は、5月の開催時よりさらに洗練度を高く、そして明るく、面白くお伝えしたいと思ってます。一方、「Newサイド・センター」は、今回初めてのNew講座ですから、新たな画期的な手を用意しておきます(その手は、ここではマル秘ですが…)。どんな工夫を私がしてくるか、楽しみにしてお出でいただければな、と思っています。
(了)
2010年8月12日(木)9:30~14:00 東京開催「2010年版 Newトップ・センター」
2010年8月13日(金)9:30~14:00 東京開催「2010年版 Newサイド・センター」
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