2014年夏期集中講座 “高岡英夫の最新談話”を掲載!!
いま世界に向けて羽ばたく“YURU”(高岡英夫談)
1. YURUは世界へ
大変長らくお待たせいたしました。私のゆる思想を世界へ発表する本格的な海外出版書籍第一号が8月末には完成し、Amazonで出版となることが決まりました。先日6月21日に著者としての最後の仕事であるゲラの最終校正を終えた(校了)ばかりです。通常紙の本ですとそのまま印刷所に入って、もはや著者は手を出せないことになるわけですけれど、今回は電子書籍なのでオーサリング(整理)作業に入りました。ここでももう著者は手を出せない段階に入ったわけです。
どういう内容の書籍から第一号出版するのかということは、皆さん大変興味がおありだと思います。その本を読んでいただければ一番良いのですが、ここでは簡単なお話をしておきます。
私の書籍は大変多岐にわたっています。つまり、ゆる思想の内容・表現というのものが多岐にわたっているということです。私が第一号として選択したのは、「健康方面なのかな?」というふうに思われる方が多いと思いますが、実はリラクセーションと健康効果をベースとした「高能力化」の方向、すなわち高能力化のための最大の理論、そして方法・装置である身体意識を前面に押し立てて、第一号とした次第です。
その書籍の海外出版化の仕事を進めるにあたって、なぜ翻訳の作業に入ってかくも約三年の月日がかかったかという話をすることによって、ゆる思想が世界に普及するというのはこういうことなのだということを、今まで日本人同士として、そして日本においてゆる思想を愛し、トレーニングを続けて来て下さった皆さんにお届けしたいと思います。
私の理論と方法は、運動科学という概念の元、書籍中にまとめあげられていると思われているかもしれませんが、方法は元より理論も書籍で発表されているものばかりでなく、大変膨大なものが各種の講座において発表されています。それらをどのような言葉や概念で整理するかということが、今まで日本の出版活動においては特に問題にならずに来ました。
ところが、世界でしかも新たな計画に従って、書籍をシリーズとして出版していくには、どうしてもこの整理作業を抜きにしては進められないことが分ったのです。今まで、ゆる体操以外の方法群を専門的メソッドと言ってみたり、高能力強化メソッドと言ってみたり、あるいは高岡メソッドという人もいれば、運動科学メソッドと言ってみたりとか、様々な言い方があったわけです。私どもの集中講座のDM等でも、あるいくつかの表現がなされてきたわけです。それらに対して今回すべてを整理いたしまして、下図のようになった次第です。
まず運動科学はYURUのすべてを創り出したものとして枠外に位置付けました。そして枠内の一番上にあるYURU、それはYURUという文化のすべてを表します。それは別な言い方をするとYURUIDEOLOGY、ゆる思想というものを一語で簡単にYURUと表現できるという意味でもあります。つまり「君は何をやっているの?」とか「君は何に関心があるの?」、あるいは「君の人生の柱となる思想は何なの?」と聞かれた時に「それはYURUです」と一言で答えられるということです。人間の能力や健康や人生観やその他様々な大事なことを「自分はYURUというものを支えに認識し、判断し、行動しているのです」というふうに自分自身が思うことができ、そして人にも話すことができる、それがYURUです。
その下にあるYURU WAY、これはつまり“ゆるんだ人生道”のことです。YURU IDEOLOGYというのは、一生かけても達成できない奥深いものですから、それを自分の人生の終生の課題としてゆるんで生きていく、まさにYURU YURUで人生行路を歩んでいくということがYURU WAYです。これを日本語の「ゆる修養道」や「ゆる道」に置き換えると意味が狭く固くなってしまうので、日本でもYURU WAYが良いと考えています。
そしてその下に来る、YURU THEORY、YURU PRACTICEですが、YURU THEORYはゆる理論ということですから説明するまでもなくお分かりだと思うのですが、それに対するYURUPRACTICEは直訳すると「ゆる実践」ということになります。理論とそれに対応する実践ということになりますが、これも日本でもYURU PRACTICEということでやっていきます。
YURU THEORYは運動科学により創り上げられた各理論領域を示すことになります。そしてその中には身体意識学、ゆるみ理論、運動進化論、総合呼吸法論、極意武術論、護身学、等々様々な理論が入っています。
YURU PRACTICEのほうは、実に様々なメソッド、今日で言う身体意識メソッド、それから身体能力開発法、生きる根本力、それから総合呼吸法とか、宇天気功、達人調整、ゆるスキーなどが入っています。皆さんが集中講座やMAXデイズで楽しまれている多くの方法がここに位置付けられるのですけれど、その下にそれらを下から統括するのではなくて、それらを全部受け取って、それらの中のより初心者向け、あるいは病人でもできる、一方でそれは高度能力を開発している人間にとってなくてはならないインフラ的な方法になる、そのようなトータルな意味で上に乗ったYURU PRACTICEの中にある様々な方法群のエッセンスを受け取って、思い切り楽しいデザインを加えてまとめ上げたものがYURU EXERCISE(ゆる体操)ということになるわけです。YURU EXERCISEは、ですからそれらの上に乗っている方法と並列な関係ではなく、すべてのインフラとなるという意味で下位に位置付けられる方法、ということになるのです。
これでまさに世界のどこに出しても恥ずかしくない、深い思想性と懇切丁寧な多岐にわたった理論と方法群が、これまた論理的に整合性をもって体系化されたYURUという文化が、実は内容的にはすでに出来上がっていたわけですけれども、言葉と概念、そしてその関係的論理性ということにおいて、いよいよ体系的に仕上がったのです。
ですから皆さんが、今回この夏期集中講座にまたおいでくださると思うのですが、そのときにトレーニングする様々な講座の方法群は、一言で言うとYURU PRACTICEということになります。「何をしに行くの?」「YURU PRACTICEをやりに!!」と、こういうふうに言える時代になったのです。
2. 江戸時代以降最大の天才を見た
つい先日あるDVDを我が家で見ました。そこに登場している人物の体の動き、それを裏から支えている身体意識の構造と機能、それはまさに私以外の人間でしたら度肝を抜かれ、そして一体この人物はどの時代に生きていたのだろうと、何度も目を擦ってしまうだろうというほどの身体運動です。もちろん度肝を抜かれ、目を何度も擦るためには、よほどの身体や身体運動や身体意識に対する認識力がなければならないことは、言うまでもありません。
その人物は、私の極めて専門的な評価において、明治以降の人間には一人も見出すことができないほどの水準に達しています。どの位の存在かというと、かの葛飾北斎、そして日本の相撲史上圧倒的最強・最大の横綱である谷風梶之助ぐらいしか並ぶものがないだろうと、それほどの身体運動とそれを支える身体意識の構造・機能をしているということです。まさにその人物が動きまわる30分ほどの映像を私は見たのです。
(右)相撲史上最強・最大の天才力士 “谷風梶之助
(左)日本が生んだ最大の天才の一人 希代の浮世絵師 “葛飾北斎”
一例だけ申し上げましょう。仙腸関節というものがあります。そこが完全に近いほど割れている。縦方向にも見事に割れているし、前後方向にも見事に割れている。縦方向で言うと仙腸関節を通る側軸、さらにそこにスパーッと見事に通る側面が立っている。その両側、つまりは骨格で言えば腸骨になるわけですけど、身体意識で言うと側体、2つの右側体、左側体がそこに立ち、それが全く2つのピストンがそこに設置されて、それが寸分違わず上下に、つまり天地方向に左右、それぞれ繰り返して動くのです。
花柳壽惠幸師の超高度な仙腸関節の動きをモデル化したもの。
あたかも2つのピストンが寸分違わず真逆方向に動く
私はこの日本の身体能力が高かったであろう人物をことごとく調査していますから、これほどの身体運動能力というのは、近現代の日本人についてはまずいないということが言えます。またここ50年、半世紀程度の日本以外のあらゆる全スポーツ種目の中でもいません。かのマイケル・ジョーダンや、インゲマル・ステンマルクといった大天才たちもはるかに及ばない、こんな身体運動は全く出来もしないというところに到達しているのです。
そしてそのことに合わせて申し上げておきますと、それほどの腸骨及びそれを含んだ側体が見事に垂直に動くためには、とんでもないセンターの中央軸が通ってなければいけません。これはお分かりだろうと思います。そしてそれはどこまでも深く高くさらに強靭で、しかし強靭だからと言って固かったらその周りも、固くなってしまうわけですから、ゆるゆるにゆるんだまま、同時に通っているということです。側軸、側面が強烈に通っていると、その人がフッと止まったところを見たりすると大変側軸、側面が発達しているため箱のようにも見えます。そして、動き出すと、側面、側体がピストンのように左右、真逆の方向に動くわけですね。言葉が悪く、またありえない話ですが、理想を超えて空想的に作られたロボットやサイボーグのように、人間を超越した身体運動を見せてくれているのです。そして、それを支える身体意識の素晴らしさを、その仙腸関節のところだけを取り上げて申し上げました。他は推して知るべしということです。
この人物は、実は日本舞踊の花柳壽惠幸師、御年89才です。私が見たその身体運動はおそらく50代の身体的に絶頂期の踊りでありまして、『吉野山』という「義経千本桜」というシリーズの中の一演目、その中の狐忠信という男性の役柄の演舞だったのです。ここでなぜこの話をしたのかというと、それには2つの理由があります。
まず、これほどの大天才が今、まだ生きて存在するということです。そして、それを映像でまさに絶頂期を見ることができるという事実があるということです。これを何としてもお知らせしておきたいのです。今後いかにして、これを皆さんが見る機会が得られるかということですが、私がその努力を惜しまずにしていきたいと考えています。そして、それをやがては日本中に、あるいはYURUも世界普及するわけですから世界中の人々に、こういう人が存在しているのだという事実を示す義務が、私にはあるだろうと考えています。皆さんもそのことに共感していただけるだろうということで、この話をしました。
そして、もう一つ。この方のとてつもない身体運動、身体能力、そしてそれを支えている身体意識というものを、これを完璧に論理的に説明できるのは、我々の運動科学の成果であるYURU THEORY以外にはないということです。それをひっくり返して言うと、運動科学≒YURU THEORYには、この大天才のすべてを論理的整合性を持って、認識解釈し、説明することができる、ということです。それを皆さんと私が共有しているという事実は、何よりの慶事ではありませんか!!
3. 昔のあなたが思い出せなくなるほどの上達
皆さんの仲間である一人の青年について話をします。ぜひ読んでいただきたいと思います。
この青年は凄まじい上達進化を遂げています。私の40年の指導歴の中で最も固まった身体のベスト3に入る青年、すなわち彼はガチガチの頂点を極める3人男の一人であります。私に入門した当初は、あまりに身体のすべてのパーツ間が固く、締り閉じているために、それらをゆるめ動かそうにも、脳の起動ができないほど固まっている状態だったのです。その青年がここ数年目覚ましく柔らかくゆるみ、今やフワフワ~と全身骨格から筋肉の隅々まで隙間が生まれ広がり、ゆるゆるゆるゆるゆるゆると、ゆるんだ身体に変貌してきたのです。
当然身体の様々な部分が、快適にゆるみ動くようになってきています。身長も最低期の3センチ以上も伸びているはずです。表情も素晴らしく柔らかく、暖かく、そして優しく変貌しています。難しい技法をやってもまさに別人のパフォーマンスを見せてくれます。指導していて、身体の専門家である私が、昔の彼の姿を時々思い出せなくなるほどです。地芯立ち上がるセンターもよい。呼吸法も表も裏も使えるようになってきています。裏転子もベストもよい。そうすべてが、私が指導する方法の何をやっても良い方向に変わってきているのです。ですから「何をやっても気持ちいい、何をやらなくても気持ちいい……あまり柔らかくゆるんできたので、昔の自分が思い出せないぐらいなのです」と嬉しそうに話してくれるのです。
私が前回のDMで報告させていただいた、ニドさん、クラゴン、○之助に続く後天的天才化を進める皆さんの中のまさに代表的一人です。その彼は私の講座に出て、今回までたったの一度もメモを取ったことはありません。クラゴンや○之助と一緒です。ひたすら講座内で、一心不乱、全力投球でレッスンに打ち込む……、その繰り返しです。家では「自分がハマるものしかやらない、いや、ハマるものこそをやる」のだそうです。
トップ・センタースペシャル修錬会でのトレーニング風景。
修錬会中はメモを取らずにひたすら一心不乱に打ち込むのがルールだ
さて指導員の初級と、私の中級が4、5月から始まっています。こういう点においても実に良い時代になったのです。指導員の初級では、どうぞメモをお取り下さい。一方、私の中級に来られたからにはぜひメモを取らずに、まさにこの青年のように、クラゴンや○之助のように、メモを取ることなどほったらかしで、うっちゃらかして一心不乱、全力投球でレッスンに打ち込んでいただきたいものです。
それでこそ、あなたの後天的天才過程=本物の達人化計画は、目覚ましく駆動するパワーを得るのですから!
無料講座といえど一切の手抜きはいたしません。
常に徹底的に指導します(笑)
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